翻刻!地震・災害史料

コレクション: NDL地震・火山

麗斎叢書. 20 - 翻刻

麗斎叢書. 20 - ページ 75

ページ: 75

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棟木にて押潰されうせぬるよし誠にや  水戸の御家にてハ前の中納言の君の  ふかくたのミ覚されし藤田虎之輔戸田  銀次郎も死失ぬ虎之輔ハはしめ難なく  のかれ出しかと老たる母刀自のあとに残り  しをおもひいて引かえし救出さんとして  軒の下に失果つと其国の人より聞ぬ此  国の儒者なる會津恒三の教子にて長  門の人に赤川淡水といへるものありしか  其物かたりに虎之輔の母ハいと雄々しき  老女にて我子なから日頃ハ物の用にも  立へきものよなとたのもしくおもひつるに  其甲斐もあらて深くたのまれ奉りし  君をおき翌をもしらぬ老の身のため  あたら命を棟のもとに捨たりし不覚さ  よとむつかりしよりこの母ありて此子とや  かゝる事をやなとゝ諸ともに語り合たりし 小石川より南のかたニてハ小川町ハ西俎板橋 より東猿楽町まてなこりなくやけうせ国つ 守の邸くつれたるハ青山土井酒井松平 讃州淀稲葉土屋伊東小出なとの御家々 にして松平駿州堀田備州松平豊州板倉 榊原内藤なとなこりなく燒失たり  讃州の御家に徒士の士廿人あまりも同し