翻刻!地震・災害史料

コレクション: NDL地震・火山

麗斎叢書. 20 - 翻刻

麗斎叢書. 20 - ページ 77

ページ: 77

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なかりしか内神田柳原ハ殊にはけしくて 公の穀番【蕃?】ふるぬりこめ六十間あまりくつれ 落ちたふかるハなし  おのれかやとりとしつる街のミにて廿四人  死失けるか中に稲本といへる家とめる  盲の其身いちとのあやまちもなかれと妻  娘をはしめとして七人まてうしなひしも有  又十七になんなりつる娘と七と三との男子  ミたり失てものくるほしくなりつる母も有  この同し長屋におのれか垢付たる衣そ  そきなとする女ありしかきて語つるに  其夜夫ハ遠き方へとて出たりしかハ十ニ  なりぬる娘といさうとさしていねハやなと  いひもあへぬにうつはりの下に押潰され息  も突あへぬほとなりしかハ心のそこにおの  れおさなかりし時御寺の聖の十二萬歳を  一劫とか云て此世の那【ママ】落の底とかいへるに  しつむものよなとの玉ひしを聞つるか  いま其時に逢たるなめれは吾夫のミか  天か下ニ生のこる人のあるましきよと思  ゐたりしにはるかなるかたに夫の聲して  娘の名吾名を呼ハせ玉ふにうれしやいき  ておハしけんされとあまりにはるけきかたを  のミたつね玉ふことのいふかしさよと思ひニ