翻刻!地震・災害史料

コレクション: NDL地震・火山

麗斎叢書. 20 - 翻刻

麗斎叢書. 20 - ページ 78

ページ: 78

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 たれは聲さへ得いてさりしに娘ハもの云  ことのおのれほとにかたくハあらさりけん爰に  そと聲かるゝ計こたえしかハ俄に多く  の人のこゑ立騒くさまして此火きやしなハ  救出さんするほとに心強く思ひてよと云聲  の猶はるかなる方にのミ聞へしか出てゝ見  れは隣なる家より火いてたりしを瓦  の下にうつもれゐしかハなとかたりける  か実にさなりけんと人〳〵と語合たりし 御城の内にてハ紅葉山にすへ奉りし世々の 御霊屋ハ更なりむかしよりおさめおかせられつる くさ〳〵の御寶こむるぬりこめをはしめとして 櫓石垣まて数を尽して崩れ落内腰 かけよりも火出てたり  其夜 将軍家も御小性【ママ】只ひとり召具し  玉ひ御玄関まていてられし折しも内藤  紀州のミ御供も具し玉ハす装たになく  してかけつけ玉ひ當直し居つる徒士  のやから廿人あまりと守護し奉り楓山まて  退せ玉ひしに百人番所もくつれおち  黒鍬てふもの九十七人しにうせつるよし  又見附ニての石垣ハわれさるところもなく  護持院原の石垣なと堀の中にしき  ならせしめてくつれ落つるよし