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翻刻
御城より東丸の内は酒井雅楽上中両屋敷
小笠原右京森川羽州會津上中の邸とも
火消屋敷因州遠藤但州松平総州本多
中務増山弾正なとミな燒うせて越州大岡
秋元池田永井松倉戸田松平伊賀阿部
勢州内藤紀州の御家なとなこりなく壊れたり
酒井の御家は五十八人死失内藤の御家は
廿八人死失て森川の御家ハ君の此日より
二三日前にかくれさせ玉ひけれハ柩のまゝに
また葬リ玉ハさるを得出し奉らでやき
失なひ玉ひつるに奥方も棟のもとに
うせ玉ひて若君ひとり庭の井にひそミ玉ひ
火をまのかれ玉へしとなん會津の御家ニ而ハ
所〳〵にあなる御やしき迄数ふれば七百六十人
失ひ玉ひしとかや五日の事なりし田町に
すめるもの来て昨日會津の御家よりとて
車十輌馬四疋長持四棹もて失し人の
なきからを高縄【ママ】の寺に運ひ行しなと
かたるもの有しかこの御家なる姫君の
かしつきなりし翁とかや其夜ハおのれか
長屋にありけるにこよなき地震ゆへ御館に
はせ参りしにはやなこりなく崩れ落姫君の
御行ゑも分らさりしかはくつれる家の棟に
立またかり腹切て失せけるとかやけなけ