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にもまたいたわし阿部の御家ニ而ハ君の
公のことおハして表に居玉ひしまに奥は
くつれ落いとおしミ玉ひし側女を初め
女房達十一人侍廿人あまりうしなひ玉ひ
て奥方も梁にしかれ玉ひしかとも年頃
召仕玉ひし女房の内に甲斐〳〵しき
ものありておのか身をもて梁をさゝへ
あけ左右の手をつよくつき立息絶なから
奥方を覆ひ奉りちとも倒れさりし程に
左の御腕を柱にしかれ玉ひしかと御身ハ
恙なくおわしましつるよし後かの女房を
棺に入侍るに惣身の力を腕に盡したり
けらしいかに撓めてもたハまさりしとなむ
いまの世にはいとめつらしけれ増山の殿も瓦
のしたに敷れ救ひいたされ玉ひしか士より
上のもの二十人あまりも失ひし林家にて
すら十六人しにらせたりと其教子ゟ聞ぬ
外桜田は鍋しま毛利北条伊東柳澤我
御家をはしめとして薩州の装束やしきは
ミな燒うせ上杉板倉小笠原石川三浦真田
小鍋嶋阿部播州水野出羽大岡朽木抔なこ
りなく壊たり
亀井の御家は死うせしもの十一人と其
家の侍堀確三よりきヽぬこの確三と昌