翻刻!地震・災害史料

コレクション: NDL地震・火山

麗斎叢書. 20 - 翻刻

麗斎叢書. 20 - ページ 81

ページ: 81

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 平坂なるもの学所にありつる鍋嶋家の御内  人何某とかいへるは其親しきものヽ病ミと  らんと朔日の朝其御やしきニ帰りしかあくる  夜梁にしかれ立出べくもあらねは聲  をかけ人をよへるに火出来て救へき  すべなければ人々のいまはおもひきれよと  云すてゝ泣々も立去しか火しつまりて見  れは太刀をにぎり死しゐたりしにそ  扠は腹や切てけんなと云ものゝありしと  同し人のかたりても此御家にのミ死失せた  るもの三十五人とそか御内人木原善四郎  より聞ぬまたいつれの御家にやありけん士共  廿五人二日の暮過る頃国より爰に来りし  か生たるもの只ひとりの外はあらて毛利  の御家にては君のあすハやしきにつかせ  られんと武蔵の藤澤にやとらせられ御先  の人々の御門まて来し折しもかの禍して  鍋嶋の御家より火移しかは其さわき  いはんかたなかりしに死うせたるものも  三十二人侍ると其御内人小倉健作語りぬ  柳澤の御家は定府てふもの多き御なら  ハしなりけれハ女童のミなりつるに門々ミな  かたふき貫ぬきうこかさるより長屋の  窓をぬけ出て屏を躍越辛くして