翻刻!地震・災害史料

コレクション: NDL地震・火山

麗斎叢書. 20 - 翻刻

麗斎叢書. 20 - ページ 86

ページ: 86

翻刻

井上河州吉田摂州小笠原佐州等やけされは くつる今一処ハ中の郷より出て荒井町番 場町弁天小路まてやけうせ松平防州 松浦壱州向井将監松平左衛門なと皆やけたり 亀井戸よりも二ヶ処やけ出小梅も引船の邊 まてやけうせぬ此六処に深川を添て死失 せたるもの四萬七千人なりしよし  深川仲町にかなものあきのふ家ありしか七人  八人の家の内のこりなく燒うせてければ三日  四日のほとは其なきから堀出すものもなかりしと  直野長三郎のかたりてけるか本所ニ而ハ津輕  の御家にのミ死うせるもの七十八人ありしとそ  小梅に名たゝる小倉屋といへる餅ひさく家  のほとりのミにて百人あまりも死うせつと  其邊りのものきて物かたりぬ 此夜の地震北は草賀越ヶ谷南は神奈川 川さき東は牛宿松戸行徳船橋まて 甚しく五十子臺まち芝駿河臺浅草上野 吉原堤本所小梅松戸神奈川なと三四尺 ほとも地割向しまの邊りハ一丈あまりさけ 砂と泥とを吹出せしところありなと云ものも ありき合せて指折搂れハ其はけしき処 は十里あまりにて火は三十あまり二処より いてたれと風烈しからぬをもて燒たる処ハ多くも