翻刻!地震・災害史料

コレクション: NDL地震・火山

麗斎叢書. 20 - 翻刻

麗斎叢書. 20 - ページ 88

ページ: 88

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つけ聞に付あさましからぬはなしかたに 夜ひとよ夢の中にゆめ見る心地して大路に 立あかしけるに燃のこりたる炎の中より所々 青き火もえ上りなまくさき臭の鼻を襲も いと心うくて早明よかしと念しつるに明るに 随ひ大路を見渡せは夕へあやまちせし ものを戸板にかきのせ肩にかけいたハり 行人の路もさりあへず或ハ腕ぬけ足を れたるあるは頭打割れ腰たヽさる其浅 ましさいはんかたなきにやけたる屍を菰む しろにおし包ミ車につミしハさてしも いはず酒砂糖なと入るへき樽を柩の替りに し猶たるへくもあらて街に水たくわひあ りし桶ぬすミ行もありそもたらぬにか あらんなきからのミ埋帰るもあり夕へ廓をの かれ出しうかれめと覚しくて髪もおとろに 面も得あらハて紅ゐの湯具したるさすかに 日頃浅からずちきりおきし男にや手を引 合てたと〳〵しけに路行もあり又ひとや をのかれいてし罪人にやさかやきの跡長く のひ色青さめたる男のいきもたゆけに 行もありこのひよりして後は日毎に 五度六たひ地震せさることもあらねば 人の心もさはかしくて今宵ハ津波こそ