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来るへけれ翌はさきに増たる地震こそ
あらめと云のゝしりかたふきたる家おさむる
ものもなく大路に戸障子かけ渡し其中に
起臥しつるほとなれは家を失ひやしきを
やかれたる人々のミをよすへき処迚もなく
おのかしゝつゝめるもの背負て東西に行迷ひ
住家たつねるさまもいと哀なりかゝる時にも
公にてハ人の心うしなハしとや幸橋御門外
浅草廣小路深川海邊大工町三ところに
御救ひ小屋てふものかけ渡し又代官伊奈
半左衛門をして米六七合の詰飯ひとつを日毎ニ
まつしきものに人のかすほと玉ハりて御旗本
の人々には身のほとにより崩れたる程に
より黄金若干つゝ玉ハりまた商人ハ更
なり萬の匠にも物のあたひ増まして掟し
玉ひけれとも匠共ハ四寸にもたらぬ丸木二
もともてき傾たる処支えなとしつるのミにて
黄金ひとひら玉ハれよと云のゝしり米商
ものもなく酒ひさく家もなく草鞋の直鐚
弐百文と云ほとになりしかはいのちにも
かへしといとおしミたる妻子ハうしなひ
ぬいける甲斐なき世に存生て何かせんと
うちかこちあからさまにものうハひとらハれ
ぬるもの日々してなきはなし