翻刻!地震・災害史料

コレクション: NDL地震・火山

麗斎叢書. 20 - 翻刻

麗斎叢書. 20 - ページ 89

ページ: 89

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来るへけれ翌はさきに増たる地震こそ あらめと云のゝしりかたふきたる家おさむる ものもなく大路に戸障子かけ渡し其中に 起臥しつるほとなれは家を失ひやしきを やかれたる人々のミをよすへき処迚もなく おのかしゝつゝめるもの背負て東西に行迷ひ 住家たつねるさまもいと哀なりかゝる時にも 公にてハ人の心うしなハしとや幸橋御門外 浅草廣小路深川海邊大工町三ところに 御救ひ小屋てふものかけ渡し又代官伊奈 半左衛門をして米六七合の詰飯ひとつを日毎ニ まつしきものに人のかすほと玉ハりて御旗本 の人々には身のほとにより崩れたる程に より黄金若干つゝ玉ハりまた商人ハ更 なり萬の匠にも物のあたひ増まして掟し 玉ひけれとも匠共ハ四寸にもたらぬ丸木二 もともてき傾たる処支えなとしつるのミにて 黄金ひとひら玉ハれよと云のゝしり米商 ものもなく酒ひさく家もなく草鞋の直鐚 弐百文と云ほとになりしかはいのちにも かへしといとおしミたる妻子ハうしなひ ぬいける甲斐なき世に存生て何かせんと うちかこちあからさまにものうハひとらハれ ぬるもの日々してなきはなし