翻刻!料理本の世界

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菓子話船橋 - 翻刻

菓子話船橋 - ページ 5

ページ: 5

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  自  序 僕(やつがれ)が友(とも)なりける山(さん)谷(や)の八(や)百(ほ)善(ぜん)に。料(れう)理(り)の書(しよ)初(はじめ) て出(いで)たる比(ころ)。我(わが)家(いへ)にも菓(くわ)子(し)の著(ちよ)述(じゆつ)あらん事(こと)を 求(もと)む。予(よ)是(これ)に答(こたへ)ていふ。総(すべ)て菓(くわ)子(し)は調(てう)味(み)の 枝(えだ)葉(は)にして料(れう)理(り)の献(こん)立(だて)と共(とも)にいはんもおこ がましとて固辞(いなみ)たりしが。世営(なりはひ)の暇(いとま)なきに 取(とり)紛(まぎ)れて。過(すぎ)たる事(こと)爰(こゝ)に年(とし)あり今(いま)ははや 昔(むかし)となりて忘(わす)れたるか如(ごと)く世(よ)を異(こと)にする思(おも)ひ をなせり。今年(ことし)秋(あき)物(もの)を捜(さが)す事/在(あり)て故(ふる)帳(ちやう)ども を取(とり)出(いだ)したるにはからずも其(その)比(ころ)反(ほう)故(ご)の裏(うら) にかはしるしたる手(しゆ)製(せい)する菓(くわ)子(し)の仕(し)様(やう)分(ぶん) 量(りやう)等(とう)数(す)ヶ(か)條(でう)あり。其(その)まゝになしてんも本(ほ)意(い) ならねば。かねて泉(せん)市(いち)ぬしに約(やく)せし契(ちぎり)をた かへず。頓(とみ)に校(かう)正(せい)を加(くは)へて送(おく)りやる事(こと)とはなり ぬ。さりながら年(とし)比(ごろ)手(て)馴(なれ)たる菓(くわ)子(し)の外(ほか)は。日(にち)用(よう) の文(もん)談(だん)さへ筆(ふで)とる事(こと)も難(かた)ければ。心(こゝろ)に思(おも)ふ十(じふ)が二(に) 三(さん)も尽(つく)しがたし。只(たゞ)其(その)あらましを拾(ひろ)ふ物(もの)なれば 一(いち)覧(らん)の諸(しよ)君(くん)子(し)宜(よろ)しく賢(けん)察(さつ)をたまはれといふ   深川佐賀町       郡【群ヵ】司荘【菓ヵ】子        船橋屋織江    しるす