翻刻!地震・災害史料

コレクション: NDL地震・火山

出雲紀行. 20 - 翻刻

出雲紀行. 20 - ページ 11

ページ: 11

翻刻

黒田千三郎病を問来けれは夫に負れて陣屋を出て 東鳥井と門名称するものゝ家に病を養ひつゝきくに 箱根山の大杉古木八重十文字に折たふれて通路と まれりといふをはしめ諸国の変事種々の人に あけてかそへかたし去年は前代未聞の大ちしん ことしは古来聞も不及大風心もとなきよのなり ゆきなりといはさるものもなかりけりことしの 大震に十八年のむかしをおもひ出て空に覚え たる事かくのことし 今年明治五年壬申春二月六日夕七つ半時ころの 大地震家に居かねて誰言合すとなく家人不残後の 畑中に飛出て見るに藁ふきの大家根は初にゆらき 付おろしの瓦屋根は東にゆるき今やころふと守り 居けるに終に事なかりしを悦たて家に帰り見しに 棖押の上に懸たる鉄砲落て茶箱損し柱付の塀放れ たり位之事なりき扨近隣の事聞に笠原氏にては 塀打たふれて箪笥三棹塀の下にたふれころひて 上なる引出しに入たる瀬戸物微塵に砕けしを 笊に幾杯とか捨たりとなん又黒田氏には縮棚より