翻刻
儀と奉存候右御左右申上度如此御坐候敬白
二月十日
十日会一香道生豊年吉雄敬典被地震の哥詠今日
もなゐふる
十一日早朝なゐふる朝飯後の分大分ふるひて隣の家内
はな懸出る
十二日今日はしめて地震ふらすと思ひしに夜ふるへり
と翌朝人々いふ石州にては津波にて人家あまたそこ
なへりといふ長門萩城落たりといふ
十三日ゟ十七日まての事付落せり
十八日実母の五十回忌法事執行すとて六十
二年むかし二月朔日産舎に入て七日にやう〳〵
うましし事なとおもひ出られてよみて霊棚に
そなへ奉れる
御産屋に七日七夜をいたましてうませけれこそ見はかくてあれ
又為泰の産れし時酒の栄菜に 鰤子(ワカナ)の吸物いたせる
を大国養保か賀言を聞給ひて祖父正平翁歓給ひて
末に名をあくるふもとの若なかやと祝吟し玉ひし
ことをおもひて
五十年のむかしのわかな六十経て思ひつめりと君にしらすや