翻刻
忌部の里に忌籠り鏡の浦の清まはり遠騰美の水に
ふりすゝき捧けまたしし古へのあとを思ひて荒玉の
光りこもれる荒石を忌鉏持てはふりとり千曳の
石とたなすえに引すえ見れは朝日なす赫き渡る
赤玉のあからひまして御命は玉の緒なかく大君のみこ
とのまにま神宝いつきまつろひ大神にこひのみまして
大御代をいかしの御代と言寿ひほかひもとほし
かへりことまをしまさねと掛巻はかしこかれともこと
ほきて御賀の玉の石たてまつる
出雲の神門臣守臣
是はそのむかし守臣大人に乞て書貰ひしを写せるなりけり
其時の地震の事は此大人はた重老大人又其節医学
修業すとて彼地にありて其事にあへる安井司民坂本功
なとよりもかたり聞せたりしにはしめ空中にて恐しき音して
より大地振出て洛中洛外の家人害はれし事きくも
恐しき事なりけり扨かの神宝なる琵琶を写したる
摺物ありて懸物なとにせるを見しに守臣大人の讃あり
その哥
そこたから御宝主の大神のみたまそはりし神たからかも
「其」此後安政二年卯冬十一月の地震は為泰神門郡に
ますとて