翻刻!地震・災害史料

コレクション: NDL地震・火山

出雲紀行. 20 - 翻刻

出雲紀行. 20 - ページ 9

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尋まほしく思へとも西より東にとをるはありなから東より 西へ来れる人更になかりけりやう〳〵完路の中山まて 帰り来れるに向より旅人来れるほとに問尋ぬるに 松江さのみかはる事不承といへるに少し落ゐたりさて ひた急にいそきて夕つ方家に帰り来れるにかたみに 無事をよろこへり為泰はよそにありて家の事を おもひ家人は為泰か地さけて落入ともせさりしやと 思ひしもことわり也けり此時に  あらかねの地や此頃動なき御代にかはりてゆるへそめけん とよめりしと紀伊木の国長沢伴雄方へ言遣しけれは かなたはこなたに増りてふるへるよしいひて其時に  震さやく竹の下ふしよもすから身さへ家さへふるひのみして とはよめりと言おこせたりき扨此地震は東国ことに 強くふるひしと見へて翌三年辰春二月松江を 出て武蔵国本牧へ行し時乗坂の松原ころひかへりし を見て驚きつゝ行道すから殊に駿河路の駅々 大かたに砕け潰れたる跡広野とあれはてゝ目もあて られぬありさまなりけり又沼津城の石垣崩れたる を見府中殊にあれにけるを見或は其時の事とも 聞にあはれ至極の事になん今年本牧陣にあり