翻刻!草双紙の世界

コレクション: @chinjuさんと読む草双紙

怪談御伽童 5巻. [2] - 翻刻

怪談御伽童 5巻. [2] - ページ 32

ページ: 32

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なとかおくれ候半や是?然?御供仕罷帰候はんと いさきよくいふに人々もしゐて止(とめ)行す母は女心の やるせなさも人々に恥(はち)らひてとかくいはで帰し ぬれと心はやすからすかくて佐の右衛門父子は我 家へ帰りしに死霊も待(まち)うけゐたり佐介は是(これ)を 見て刀を引ぬき打てかゝるをさのへもんおしとめ いさゝかもいらふへからす昔(むかし)天竺(てんぢく)にて斯任(ししん)と いふもの摩伽圓に七世つきめくり趙(てう)の何某(なにかし)は孟(もう) 竺(ちく)に十八年はなれず我朝(わがてう)の文学(もんかく)は承久(ぜうきう)の 御門(みかと)を恨み奉りし皆(みな)怨執(をんしう)深き悪業(あくごう)の さりかたきものゝなすわさに取あふに及さる事や いざねんとてもろ共にふしたり父子共によく寝 たるにわつといふ声(こゑ)佐の右衛門か耳に入おとろき 見れは山伏佐介か上へ乗て首(くび)ねぢ切らんと する体(てい)也佐介は枕(まくら)にありし刀(かたな)に手をはかけながら 山伏に手ごめにあひぬさのへもん大にいかり起上り 刀をぬいて切はらひ憎しきたなき死霊かな 何条(なんぢやう)伜(せがれ)に恨みあらんや本来(もとより)己(をのれ)が邪法(しやほう)の我慢(かまん) にほこり人を人とも思ひたらず邪(よこしま)をのみなすゆへ 天わが手をかつて汝(なんじ)が悪逆(あくきやく)を罪(つみ)し給ふ天罰(てんはつ)を