翻刻!草双紙の世界

コレクション: @chinjuさんと読む草双紙

怪談御伽童 5巻. [2] - 翻刻

怪談御伽童 5巻. [2] - ページ 38

ページ: 38

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もなく其日に成けれは酒之介は夕くれかたに寺へ 入来て物かたりするうちに初夜も過て月は名(な)に あふ二千里(せんり)の外古人(こしん)も今(こん)人も素面(すめん)の楽(たの)しみは おかしからしと端近く出て物語するに勝手【?】より大 きなる盤(はん)に盃(さかつき)二つすへいもやうのさかなあまた調(とゝの) へ持(もち)出二人の中へ直(なを)し扨(さて)四 斗(と)樽(たる)を二人してかき 来り樽のかゝみを打ぬき柄杓(ひしやく)を二本【?】そへて盤(はん)と 同しくならべ置(をき)て皆々勝手【?】へ入けれは和尚のけふは 杓人(しやくにん)の給仕(きうし)のと人ませせんもむつかし彼らも今宵(こよひ) は目見て楽しまんと思ふらめと思ひ取てこそか くははからひ侍りし是をなづけて猩々(しやう〴〵)呑(のみ)と号(がう)し 侍らふとたはふれていざこしめせとて銘々(めん〳〵)盃(さかづき)柄杓(ひしやく) 取 持(もち)彼(かの)樽(たる)よりも汲(くみ)あげ〳〵夜と共にのめる有さま 月はくまなくさえて庭(には)の池水に影(かげ)すみわたり潯(じん) 陽(やう)の江もかくやあらんと思ふに夜半斗に一樽 汲(くみ)ほし けれは和尚僧と呼(よび)てけう一樽もてこよとあれは心 得て又一樽もちきりてかゞみ打ぬき夫よりさけ あらたまりしとて又くみかわしけれは月入夜も ほの〳〵と此樽も同し句明て仕廻(しまひ)ぬさすがの 酒之介も是(これ)までに覚ず心よく酔(ゑい)たりちと休(やすみ)