翻刻!草双紙の世界

コレクション: @chinjuさんと読む草双紙

怪談御伽童 5巻. [2] - 翻刻

怪談御伽童 5巻. [2] - ページ 42

ページ: 42

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事を待(まち)ける心そはるかなれ宇根右衛門には曽根松(そねまつ)と いふ男子さよといふ女子有然(しか)るにさよ容色美敷(ようしよくうつくしく) のみならず心ざし優(ゆう)にやさしくおさなき手 遊(あそ)びの 品も人に異(こと)なる唐物(からもの)大和(やまと)の写絵(うつしへ)物語 等(など)を弄(もてあそび) 事ならひも心あるさまに書ちらしけれは父母は元来(もとより) しれる人は珍(めづ)らしき少女(せうじよ)哉とあやしきまてにいひ あへり或日(あるひ)宇根右衛門 許(もと)へ正蔵幾之助をつれ入来り 例(れい)のごとく三人の子共 打交(うちまじ)りまさな事【正無事】してたはふれ 余年(よねん)なき有様を正蔵つく〴〵見て宇根右衛門に申 けるは侍輩(ほうばい)多き中にも貴所(きしよ)とは兄弟 同前(どうぜん) なる事人も知(し)りたる事也御 息女(そくぢよ)は五つ伜は八才にて 候へは能(よき)ほどの聞ならんに聟(むこ)になし給ひなんやと いへは宇根右衛門悦び左(さ)思ひより給はるこそしん じつ■【置?】なき此上のこと何かあらん吉日ともいかず 今日より娘を参らせ候はん御 子息(しそく)は聟なりとて一 家ざゝめき悦び母も何か差し置来りていはひおさめ けるいまだ雅(おさな)き【稚き】どちなれは何のゆくりもなく昼(ひる)は 終日(しうじつ)もろともに遊び戯(たはむ)れくらして夜にはおのが家へ 帰りてあかしくらすに正蔵 不慮(ふりよ)の事ありて俄(にわか)に 浪人(らうにん)しけるに宇根右衛門は縁者(えんじや)といひ殊に(こと)にしたしき