翻刻!草双紙の世界

コレクション: @chinjuさんと読む草双紙

怪談御伽童 5巻. [2] - 翻刻

怪談御伽童 5巻. [2] - ページ 50

ページ: 50

翻刻

難有(ありかたき)恵(めぐみ)の程をかしこまり思ふにもおさよか行衛 を人しほしたひ思へとせんかたなくてしたしき人の 媒(なかだち)に心 行(ゆく)べき事ありて母もげにと心得て主水(もんど) にすゝむれは心はそまねど母のはからひに任(まか)せぬ しかはあれど我(われ)高砂の別(わか)るゝ時よしや年 経(へ) てみちに親(をや)〳〵の心にたかふと外の女は見まじと いへるにさよが六つの年何 心(こゝろ)なく顔うち見てうな づきし面影(おもかげ)年来ふれどさらに忘(わす)れずもし 此世になき人となるとても異(ほかの)女にま見へるは こけの下にて思はんこともはづかしなとおもひ つゝくるもいとやさしきこゝろぞかし時しも神無(かみなし)月の 頃かれ野ゝ気色(けしき)見んとてそこはかとなくうか れ行に例(れい)の山嵐に木(こ)の葉 散(ちり)つゝ谷河の流(なか) れは紅葉(もみぢ)をそのまゝに下〳〵おもしろき日も あやに詠(ながめ)ゐたるにしがらみにかゝりてとゞまりたる 一葉に文字の書(かき)たるあり取上みれは   浅(あさ)ぢゆのかき〳〵になるおもひには   なみだの露(つゆ)そおきところなき いとうつくしき女のふての跡(て)也いかなる人のす さひ成らんあやしさよ実(げに)や晋(しん)の干宝(かんほう)唐(とう)の