翻刻!草双紙の世界

コレクション: @chinjuさんと読む草双紙

怪談御伽童 5巻. [2] - 翻刻

怪談御伽童 5巻. [2] - ページ 51

ページ: 51

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段九成(だんきうせい)が事も偽(いつわり)ならめとのみ思ひしにまのあ たりかゝる事はいまた聞ず何となく此葉の跡(あと)に 心とまりてやゝ思ひめぐらすにしゐてうちすてかた くわれも又あたりの木(こ)の葉にかくこそ【?】   あし引の山路のおくをわけかねて   身は谷河にしつみはてなん と思ひつゝけける侭(まゝ)に書て同ながれにうち入れ て行(ゆき)方を見やりて立る【?】もはてしなきおりちぞ かしとかくするに日は西山(せいざん)に陰(かげ)おちて田面(たのも)の 賎(しづ)もいさなひかへり遺愛寺(いあいじ)の入相におどろき て家路(いへぢ)に帰りてもともし火近(ちか)くたて彼(かの)木の葉(は) を詠(なか)め入て寝(ね)もやらず思ひ廻(まは)すに彼(かの)貫之(つらゆき)の遍(へん) 照僧正(じやうそうちやう)の歌(うた)を絵(ゑ)に書(かけ)る女を見ていたづらに心 をうこかすかことしと難(なん)じ給ひぬとかそれは筆(ふで) に任(まか)せ心を入て書なしたるなれは形(かたち)も似(に)たるも あらんかと思ふ者から心をかけまじき者にあらず是(これ) は聞も見んせぬ人の筆の跡(あと)をかくせちにおもひ 入りしはあるまじき事と思ひすつれどあやにく【あやふく?】 に恋(こひ)しくやゝ夜(よ)も更(ふけ)行に村(むら)鳥(とり)のねぐらあら そふ声(こゑ)のしるく瀟々(しやう〳〵)たる雨(あめ)の窓(まど)をうつ音(をと)に