翻刻!草双紙の世界

コレクション: @chinjuさんと読む草双紙

怪談御伽童 5巻. [2] - 翻刻

怪談御伽童 5巻. [2] - ページ 52

ページ: 52

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いとゞ目もあはずおさよが事も打まぜて思ふに とりもしば〳〵音信(をとづれ)て明(あけ)なんとする頃にあま戸(と) 押(をし)ひらき明かたの空(そら)を詠(なかむ)れは四方(よも)の梢(こすへ)もまば らなる中に常盤木(ときわぎ)立まじりたる明ぐれの さましのゝめの烏(からす)もわれを思ふかとあはれに 聞(きゝ)なし漸(やう〳〵)下部(しもべ)も起出(をきいて)物さはがしく日もさしあ がりぬれは母も寝屋を立(たち)出給へは我(われ)も今 起(をき)たる さまに手水(てうづ)などつかひ何心もなきふりしてゐれと 心はやすからずされど昼(ひる)は事しげきにおのづから まぎるれどよる〳〵は忍(しの)びかたきにや四五日 過て又 彼(かの)谷河(たにかわ)の辺(ほとり)りへ行きて見るに過しやうに 水の色も見へぬ程(ほど)にはあらねとたえ〳〵なる 木(こ)の葉(は)の筏(いかだ)なりしたるさまはこほ【?】見所有て いと興(けふ)ふりし又もものかきたる木の葉(は)ながれ ぬるやと目まぜもせず詠(なかめ)給るにさらにあらずもし やと流(なが)るゝ木の葉をかきよせ〳〵取上るにみすの したゝり衣(きぬ)にかゝりてうへ下通(とふ)りはへもひた〳〵 する程(ほと)にしれとぬれけるもふかきかたにおもひ よそへられといとおかしあまり思ひわひて   はかなさを何(なに)によそへん行水(ゆくみず)の