翻刻!草双紙の世界

コレクション: @chinjuさんと読む草双紙

怪談御伽童 5巻. [2] - 翻刻

怪談御伽童 5巻. [2] - ページ 53

ページ: 53

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  なかれのすへに柵(しからみ)もうき【?】 と書て又ながしやりぬかくて下部(しもべ)ともあまた 尋(たづ)ね来(きた)りあやしや何の見所もなき谷(たに)川に心 をよせ給ふこそはかなけれかゝる所には狐(きつね)なと有 て人の心を迷(まよ)はすなれと口々いふにてげにと 思ひても立(たち)さりがたく瑟々(しつ〳〵)たる波(なみ)西施(せいし)が顔色(がんしよく) 今いづくにかあると高(たか)らかに云(いひ)勝(まさ)らかして帰(かへ)り ぬとかくするに年(とし)もかへりて睦月(むつき)になのゝは事【??】 多く物思ひも少し勝(まさ)れぬへし花 盛(さかり)の頃(ころ) より何かと取 急(いそ)ぎ卯(う)月四日に同国津山 より妻(つま)をむかへ入たり名(な)をしがとなん云(いひ)ける 婚礼式(こんれいしき)終(をわ)りて寝(ね)やに入て男(をとこ)はさよが事に 打(うち)そへて過し頃 谷(たに)川にてひろひ取し木(こ)の葉(は) のぬし恋(こひ)しくて此女の事は心にもいらねは 世の掟(おきて)斗の妻(さい)となして置(をく)べしと心を定(さだめ)て妻(さい) に向(むか)ひいふやうかくいはばあやしやいかなりてな すにと心もとなく思ひたまはんが千々(ちゞ)の神(かみ)かけ てそこをよそふ思ふにはあらず我身(わがみ)事十三 の歳(とし)君(きみ)へ召(めし)出され寵愛(てうあひ)他(た)にこへ厚(あつ)き御 恩(をん)は身(み)に余(あま)りぬある折(をり)から御たはふれに