翻刻
【右丁】
慥に其便りに日本へ送り可申何れ冬は日和も能く左候はゝ
五七日□中に日本へ着致すへしと咄候に付誠に
十四人之者□□程によろこび限なし扨銘々考とは
違此而は来春三月頃ならては此地へ通舟は是而も
心得候処二月下旬には日本へ弐艘是あると申に付
誠に帰国致すこと神仏之御影と皆々歓申候熟敷
役人参り役所へ連行荒々次第尋候故始末申出候
此左甫に居候事四十三日此所之朝は粥昼晩はめし
汁向付魚積物迄日本に替事なし又ある時
【左丁】
役人ゟ申候は望あれは申出候様被申付ける故此所至而ひゑ
候故ふとん頭巾を願ければ早々願之通被下外に綿入壱枚つゝ被下煙艸
紙迄心を付毎日〳〵被下此処に湯屋せんとふ有是へ毎日参り湯に入申候
然る所十一月廿日御役人出舟門出として十四人の者へ酒肴二十八品之料理
御振舞預り同廿三日乗船にて同晩八つ時前に出立仕時に唐舟荷物
改め役所と見へ候処へ参り役人弐三人居る処へ参候故日本人門出として
氷砂糖被下其外菓子抔段々取揃被下皆々御礼申無程海辺に出夫ゟ
艀に乗り本舟さして行候処日暮迄に漸々元船へ乗移り候処未た荷物
片付不申よう漸々□□所へ参り此処へ休み然る処其夜出舟延引に相成に而翌日
廿四日に此所出船致し併唐の海は水しはらくの間ににこる事有也唐舟は
帆をまくと昼夜下ける事不致時々風あしく候はゝ日本の地へ向事
かたく皆々心配
致し長崎金毘羅宮へ心願致しければ程なく風直り皆々歓十二月六日かすかに
山見へけれは唐人申けるはあの山は何国なるやと申我々あれは