翻刻
【右丁】
むらさきしら地と申色おなし物也又 無文紫(ムモンムラサキ)に
白紙(シロキカミ)《割書:或白革》にて文(モム)をしりてをし侍 常儀(ツネノキ)也帝#1は
親王は直(チキ)に紫(ムラサキ)の色をめされ侍也 彼(カノ)御韈の調様(テウミヤウ)#2
人臣( シム)にはかはり侍りまはりのぬひ目にふせくみをして
文をは色しの糸にて縫物(ヌイモノ)をしてうらにねりぬき
をつく御下はきはたゝの革韈(カハシタウツ)たるへし《割書:他家にはうらにねり|ぬきをつけすて|》
《割書:白革をつけて|一足めさする也云々》次 錦革(ニシキカハ)のいろ是又わかくはれやかなる
色也 禁色(キムシキ)と号(カウスル)也おなしく《振り仮名:勅-許| キヨ》ありて後これを
はく色々の絵(ユ)#2のくにて文をかく殊うつくしき
【左丁】
革也次 有文(ウモム)の燻革韈(フスヘカワノシタウツ)と云(イフ)色(イロ)あり以前三しなは
《振り仮名:勅-定|チヨクチヤウ》をうけたまはりて《振り仮名:着-用|チヤクヨウス》_二之_一この地燻(チフスヘハ)は#3《振り仮名:一-流| リウ》の
宗匠(ソウシヤウ)のはからひにて《振り仮名:門-弟|モムテイ》の中にさりぬへき《振り仮名:器-量|キリヤウ》
の仁にゆるすへし武家人なといたく公宴(クエム)に参事
たやすからす仍《振り仮名:勅-免| メム》も細々(ナイ〳〵)にはなし此 有文燻(ウモムノフスヘカハ)
革を師範(シハム)にゆるされて《振り仮名:着-用|チヤクヨウ》之 珍重(チムチヨウ)なるへし尤(モトモ)
《振り仮名:規-摸|キホ》なる色也次 藍革(アヰカハ)の色是は初心(シヨシム)の人も
やかて着-用する韈也あゐ白地と申也 青花(アヲ )にて
文をかく藍(アヰ)の色なるへしこさくらの革はしそめ