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【右丁】
三府/出居(でゐ)退て上卿本座にかへり給ふ。勝方/乱声(らんしやう)す。又/翌日(よくじつ)
抜手(ぬきで)と称し。前日の召合の内を抜(ぬき)出して。相撲を仰て行
はせられける故にかく号(がう)す。此/抜出(ぬきで)は旱魃(かんばつ)等の年に行はせ【左丁に続く】
【罫線あり】
/犢鼻褌圖(トクビコンノヅ)
史記 ̄ニ云司-馬相-如著 ̄ク_二犢鼻褌 ̄ヲ_一韋-昭 ̄ナ【ノの誤ヵ】曰今 ̄ノ三-尺 ̄ノ-布作 ̄ヲ_レ之形 ̄チ如 ̄ナル_二牛 ̄ノ鼻 ̄ノ_一者也
方-言注 ̄ニ云袴 ̄ニシテ而無_レ ̄キヲ跨謂_二之 ̄ヲ褌 ̄ト_一
須和名抄曰褌スマシノモノ一 ̄ニ云チイサキモノ
本朝相撲人の犢鼻褌者左方右方とも
本府より布を賜り是を以て造る前後
四幅なり異朝の犢鼻褌とは号同ふして
製異なり今図する所の物は我朝の製作也 長凡一尺九寸余
【左丁】
らるゝにより右方の相撲人の狩衣に。瓠の花を着ざること例
なり。相撲終れば。右方/振捊一節(しんぶいつせつ)。次に左右/舞楽(ぶがく)左方は散手(さんしゆ)。
還城楽(げんじやうらく)敷手(しきて)。大曲(たいきよく)に至れば。多く蘇合香(そがうこう)を奏(そう)す。右方は
帰徳(きとく)。狛犬(こまいぬ)。吉干(きつかん)。大曲にいたれば。多く新鳥蘇(しんとりそ)を奏(そう)す。かくの
ごとく舞楽(ぶかく)なども行はせ給ふ事也。其外馬場殿。建礼門(けんれいもん)。綾綺(りやうき)
殿(でん)又は朝集堂(てうしうだう)にて相撲御覧の事六国史等に見へたり。或は
神泉苑(しんぜんゑん)。豊楽殿(ぶらくでん)にて御覧あらせられし。其式延喜式等に
くわし。本朝相撲御覧の始は。人皇四十一代。持統天皇(ぢとうてんわう)の九
年に始(はじま)る。いにしへは雲の上にてもてはやされしことなり