東京学芸大学「学びと遊びの歴史」を翻刻!

コレクション: コレクション 2

古今相撲大全 - 翻刻

古今相撲大全 - ページ 32

ページ: 32

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いふて/投(なげ)れば。名虎/大地(だいち)にうち付られ。/血(ち)を/吐(はい)ておきあ がらず。/官人等(くはんにんら)はしりより/大内(おゝうち)より担き出して。/家(いゑ)にかへし たりければ。三日あつて/死(し)にけり。/名虎相撲(なとらすまふ)に/負(まけ)しかは。/惟仁(これひと) /位(くらい)につかせ給ふ。/清和天皇(せいわてんわう)と申せしは。此/皇子(みこ)の御事なり。是より して/山門(さんもん)いさゝかの事にも/恵亮(ゑりやう)なつぎをくだけば。二帝/位(くらい)に つき給へりと/伝(つか)へたり。/委(くはしく)は/平家物語(へいけものがたり)及び。/盛衰記(せいすいき)。/太平記(たいへいき)にも 出て/粗異同(すじいどう)あり/爰(こゝ)に/略(リヤク)す   /多田満仲橘敏延(ただのまんぢうたちばなのとしのぶ)相撲の事 人皇六十三代/冷泉院(れいぜんいん)の御宇に。/西宮左大臣殿(にしのみやさだいじんどの)。天子の/御弟(おんせうど)。 /染殿式部卿宮(そめどのゝしきぶきやうのみや)を/御位(みくらい)につけ奉らんとて/中務丞橘敏延僧(なかづかさのぜうたちばなのとしのぶそう) /連茂(れんも)。/多田満仲(ただのまんぢう)。/藤原千晴(ふぢはらのちはる)など/寄合(よりあひ)て。式部卿宮を取奉り て東国へ趣き。軍兵を/起(おこさ)んと。/右近馬場(うこんのばゞ)にて。夜々評儀しけ るが。/或(ある)とき/西宮殿(にしのみやどの)にて/敏延(としのぶ)と/満仲(まんぢう)と相撲を取けるに。満仲 /力劣(ちからおとり)にて/格子(かうし)に/投(なげ)付られ。顔を/打欠(うちかき)たり。満仲安からず思ひ /腰刀(こしがたな)を/抜(ぬい)て敏延を/突(つか)んとしける。敏延/高欄(かうらん)の/根木(ほうきそ)を/引放(ひきはなち) て/近付(ちかづけ)ば/頭(けうべ)を/打破(うちやぶ)らんとて。立/跨(はたかり)て有ければ。満仲力およば ず。さて/止(やみ)ぬ。時の人あゝ/源氏(げんじ)の/名折(なおれ)たりと云ければ。敏延を/失(うしなは) んとて。/返忠(かへりちう)したりけるとぞ源平盛衰記に出たり