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給はゞ。日田郡のうち/大肥(たいひ)の/壮(しやう)を/寄進(きしん)し。其地に老松明神を
/勧請(くはんしやう)し奉らんと祈願して上洛し相撲の節にいたりて。かの
童にぞ立合ける。永季は/鉄胴(てつどう)の/鎧(よろひ)の。こて/草(くさ)ずりをちぎり
すて。/胴(どう)ばかりを/着(ちやく)し八寸におよぶ大竹をにぎりひしいで/帯(おび)
とし。其うへに/衣服(ゐふく)をかさねたり。かの童は/髪(かみ)をながしみだし
/単物(ひとへもの)を/着(ちやく)し。ちいさき/帯(おび)をゆるくむすびて立出たり。/面色(めんしょく)
/黒(くろ)きことうるしのごとく。眼まろくひかりて/星(ほし)のごとく/双方(そうほう)
よせ合せつゝ手合するに。/肌(はだ)は/鉄(てつ)にひとしく。かたくすべりて
手にたまらず。永季以前の/告(つげ)をおもひて/乾(いぬい)の方をうかがふに
/宰府(たいふ)にてまみへし。/童女雲中(どうにようんちう)にあらはれ。永季に目を見
合せ。/額(ひたい)をおさへてさとしめたり。永季やがてこぶしをもつて
童が/頭上(づしやう)を/丁(てう)どうつに。はたして/肉身(にくしん)なりしかば。やぶれて/血(ち)さつ
と/出(いづ)る。さしもの童もながるゝ/血(ち)にまなこくらみたゞよふを永季
取て引よせ。目よりたかくさしあげ。一ふりふりて/曳(ゑい)といふて/投(なげ)
しかば。かしら/手足(てあし)ちぎれて四方にちりたるける。かゝりしかば
日本第一の/大力(だいりき)と/勅免(ちよくめん)の/綸旨(りんし)を給はり。日田郡を一/円(ゑん)に/宛行(あておこな)
はれて/帰国(きこく)し。立願のごとく。/大肥庄(だいひのしやう)を天満宮に/寄進(きしん)し老松
明神を/勧請(くはんじやう)す。又/高城(たかしろ)といふ所に/自(みづから)がかたちをつくり。童が手