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で此まゝはあるべき。勝負有べしとのたまひける。言葉のしゝ
より畠山長居を/尻居(しりゐ)におしすへければ。罷りいりてあしをふみ
そらしければ。人々立よりおしかゞめてかきだしける。重忠
座にかへりつゝ。一言もいはずして出にけり。長居はそれより
/肩(かた)のほねくだけて。かたわものになりて。相撲とる事もなか
りけり
/和田常盛(わだのつねもり)朝比奈義秀(あさひなよしひで)相撲の事
正治二年九月二日源頼家卿/小壺(こつぼ)の海辺をめぐりたまふとき
/小坂(こさか)太郎。/長江(ながゑ)四郎等。/御駄餉(おんたしやう)をます〳〵笠懸あり。/結城(ゆふき)七郎
/朝光(あさみつ)。小笠原/阿波(あはの)弥太郎。/海野(うんの)小太郎/幸氏(ゆきうぢ)市川四郎/義胤(よしたね)
和田兵衛/常盛(つねもり)。其/射手(いて)なり。次に海上に船をよそほひ。/盃酒(はいしゆ)
をたてまつる。然るに朝比奈三郎義秀/水練(すいれん)のきこへあり。此
ついでをもつて。/其芸(そのげい)をあらはすべきよしを仰らる。義秀
辞し申ことあたはず。船よりおり海上にうかひ。数十度およきて。
なみの/底(そこ)に入。しばらく見へず。諸人あやしみをなす所に。
生たる/鮫(さめ)三/唯(とう)をひつさげ。御ふねの前にうかひあがる。/満座(まんざ)の
ともがら/感(かん)ぜずといふ事なし。頼家卿/御感(ぎよかん)のあまりに。め
す所の御/馬(むま)を。義秀に下したまふ。此馬は/奥州(おうしう)一の名馬なり