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翻刻
の二俵宛は左右《割書:今は|東西》の関の腰懸(こしかけ)とす。是も近来は右の余風(よふう)も
すたれて水桶のせとす。世人土俵の数は定らずといへど左
にあらず。甚(はなはだ)故実(こじつ)あることなり。委は秘要抄(ひようしやう)に出たり
四本柱相当(しほんばしらのさうたう)
四本柱は四季(しき)に標(へう)す。東は春にて其色青色。西は秋にて
白色。南は夏にて赤色。北は冬にて黒色なれば。其色〳〵の絹(きぬ)
をもつて巻(まく)を差別(しやべつ)とす。御前ずまふの風流なる物好より。つい
に一様の色絹(いろぎぬ)にて。巻様に成たり
水引幕張様(みづひきまくのはりやう)
四本柱の上(うへ)に。水引幕を張(は)る。是も甚(はなはだ)習ひある事なり。北方は
陰にて。水徳をつかさどる。水の縁により北より張て。北に張
納る。幕の地絹(ぢぎぬ)染色。あるは模様等などの事は古今共に風流にまかす
幣帛両儀(へいはくのりやうぎ)
中に立る幣帛(へいはく)は土の色を標(へう)し。黄色を用ゆるを故実(こじつ)と
す。則高野川原にて興行の時節(じせつ)までかくのごとくの黄(き)なる
幣を用ひたるに。其已来神道によつて。白幣に成たり今なをかくのごとし
力水清浄(ちからみつのしやう〴〵) 并 化粧紙近例(けしやうがみのきんれい)
相撲/場(ば)にて。桶(おけ)に水を堪(たゝへ)【湛】置(おき)。力者にあたふ故に。今俗に力水と