← 前のページ
ページ 170 / 282
次のページ →
翻刻
【右丁】
右之内に一子相伝之手あり皆伝之ものにあらざれば切る
を許さゞるものも多し
海魚置様
庖丁刀、筋、俎紙之置
様は川魚と異る事
なきゆへに爰に略 【図】
す
筋之形は海魚によつて
各かはれり
【左丁】
鯛
神之代に彦火々出見尊(ヒコホヽデミノミコト)鉤をたれ給ふ時 赤女(アカメ)其鉤を呑たり
海神赤女をめして鉤をとり尊へかへし奉る又 口女(クチメ)呑たり
とも云説あり赤女は鯛の事なり鯛は神代より名ある魚な
り長門国之風土記に赤間関は赤女之魚あるによつて名づ
けたりあかめのせきといふべきをいま赤間関といふ也と
あり延喜式に平魚(タイ)ありたいらかを略してたいとよびし
もの也日本書記に海鯽魚(タイ)とあり閩書に棘鬣魚(タイ)とあり今俗
に鯛之字を用ゆ鯛の庖丁に口伝多し
鯛之庖丁極秘切形之名称
三刀鯛 神祗鯛 陰陽鯛 四季鯛 移徒鯛
【「棘」は「𣗥」・「神祗」は「神祇」ヵ・「移徒」は「移徙」ヵ】