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生間流式法秘書抜萃 - 翻刻

生間流式法秘書抜萃 - ページ 30

ページ: 30

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【右丁】       婚姻式其他之式法を掲ぐるに先づ水嶋卜也       及又市之妄を弁ぜざるを得ず依て聊左に付       記し併せて三儀一統之事を弁ず    世上に諸礼を指南するもの皆小笠原流と名のり小    笠原を諸礼家之如く思ふものあれども然らず小笠    原は元信濃の国の大名にて弓馬之家也室町将軍之    御師範也弓馬之事は小笠原を本とす其他の諸礼事    は小笠原家之私之家法也将軍之家法を伝へたるに    あらず然るに小笠原の一流広く世にひろまる其元    を尋ぬれば小笠原左京大夫貞慶が其家臣小池甚之    亟【注】貞成に家法を伝へたるに貞成主人より伝授を得 【左丁】    たりといひ多く弟子をあつむ其弟子之又弟子に水    嶋伝左衛門元也といふものあり後に卜也と号すこ    の水嶋卜也といふ浪人小笠原流と名のり小笠原家    になき事をこしらへ指南す是より水嶋が弟子之又    弟子に至る迄各自思ひ〳〵に古実になき作り事をこ    しらへ之を世にひろむふしぎにも江戸は専らこれ    を用ゆる事とはなれり試に小笠原流之諸礼者と名の    る者に付てたゞすに答ふる所皆一様ならず又人に    指南するを見るにこれも亦一様ならず小笠原流伝    書などゝ記したる書物を見るにこれも亦一様なら    ずいづれも古実を失ひたる作り事多し或時我先代伊 【注 「亟」は「丞」の誤ヵ】