東京学芸大学「学びと遊びの歴史」を翻刻!

コレクション: 学校教材発掘プロジェクト 3

金言童子教〔竝抄〕 - 翻刻

金言童子教〔竝抄〕 - ページ 4

ページ: 4

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【右丁】 【上段】 まづしきもの書をよみぬれば其家 よく治る故富と也とめるもの書をよ めば智いたりたつとくなると也 【下段】 《振り仮名:貧者因_レ書富|まづしきものはしよによつてとみ》 《振り仮名:富者因_レ書貴|とめるものはしよによつてたつとし》 【上段】 愚者は書をもとめ得て是をよみ かしこきものと成也賢なる人は書を まなぶによつて智をまし所領を得る也 【下段】 《振り仮名:愚者得_レ書賢|ぐしやはしよをゑてけんに》 《振り仮名:賢者因_レ書利|けんなるものはしよによつてりあり》 【上段】 書をよみて大智と成人に用られ さかへたる人世に多し書をよくよみ たる故に貧に成たるといふ人はなし 【下段】 《振り仮名:見_二読_レ書栄者_一|しよをよみてさかへるものをみたり》 《振り仮名:不_レ見_二読_レ書墜_一|しよをよみておちぶるゝをみず》 【上段】 古人の君子といわれ名のたかきは 学文の徳によりて也学文は益なし と云てせざる人は一生愚者にて果(ハツ) ̄ル也 【下段】 《振り仮名:学者為_二君子_一|まなぶものはくんしとなり》 《振り仮名:不_レ学為小人_一|まなばざれはしやうじんとなる》 【上段】 能つとむれば何事も成就せずと いふ事なし故に勤 ̄ル所を宝とみる也 万をつゝしめば身に災(ワザハイ)の成 ̄ル事なし 【下段】 《振り仮名:勤為_二無_レ価宝_一|つとむるはあたいなきのたからたり》 《振り仮名:慎是護_レ身本|つゝしむはこれみをまもるもと》 【上段】 学文をばせずして智をねがふ事は たとへば魚をねがひながらあみを拵らへ ざるかごとし其本をつとめざるは愚也 【下段】 《振り仮名:不_レ学而求_レ智|まなばずしてちをもとむるは》 《振り仮名:猶_二願_レ魚無_一_レ網|なをうをゝねがふにあみなきかことし》 【上段】 ふちにのぞみ居て魚をねがはんより たちかへりてあみをつくるべし網 さへあればうおをとる事やすし 【下段】 《振り仮名:臨_レ淵【注】而羨_レ魚|ふちにのぞんでうをゝねがはんより》 《振り仮名:不_レ如_二退結_一_レ網|しりぞいてあみをむすはんにはしかじ》 【上段】 書をよむこと度〳〵くりかへしよま ざれは其理心に熟(ジユク)せざる也 菜(ナ)大根(ダイコン) の類もこまかにかまざれは其味しれざる也 【下段】 《振り仮名:読_レ書須_二熟読_一|しよをよむにはすへからくじゆくどくすべし》 《振り仮名:菜根須_二細嚼_一|さいこんはすべからくさいしやくすへし》 【注 囦は淵の古字】 【左丁】 【上段】 子に文道を教へざれば其子愚なり 是則父のあやまち也父はをしゆれ共 其子不情にして学のならぬは子の罪也 【下段】 《振り仮名:子不_レ教父過|こにをしへざるはちゝのあやまち也》 《振り仮名:学不_レ成子罪|がくのならざるはこのつみ》 【上段】 世間に学文する人は多し是則牛 の毛のおゝきかごとしよく学ひて学 文成就する人はきりんの角の稀(マレナル)かことし 【下段】 《振り仮名:学如_二牛毛_一也|まなぶものはうしのけのごとし》 《振り仮名:成猶_二麟角_一也|なるものはなをりんのつのゝことし》 【上段】 青き色は藍より出れともあいよりも 青きなり氷は水より出れども水より もさむきなり 【下段】 《振り仮名:青出_レ藍青【レ点脱】藍|あをきはあいよりいでゝあいよりもあをし》 《振り仮名:氷出_レ水寒_レ水|こほりはみつよりいでゝみつよりさむし》 【上段】 よく学文をせざれば広く才能を しる事なし心を静にしてよく学ば ざればその学成就する事なし 【下段】 《振り仮名:非_レ学無_レ広_レ才|がくにあらざれはさいをひろむることなし》 《振り仮名:非_レ静無_レ成_レ学|しづかなるにあらざれはがくになることなし》 【上段】 人の吾をしらざるをなげく事なかれ 吾が学智さへ至れば必人しりて貴ふ ゆへ学の至らざるを患ひて情を入へし 【下段】 《振り仮名:不_レ患_二 人不_一_レ知|ひとのしらざるをうれゑざれ》 《振り仮名:惟患_二学不_一_レ至|たゞがくのいたらざるをうれへよ》 【上段】 何ほど学ぶといへ共あく事のなきは己 に本より智あるゆへ也人に教るに退屈 なく教るは己に慈悲しんあるゆへ也 【下段】 《振り仮名:学不_レ厭智也|まなんでいとはざるはちなり》 《振り仮名:教不_レ倦仁也|をしへてうまざるはじんなり》 【上段】 君につかへて間なる時はよく学文を すべし又よく学ひて間ならは出て 君につかふべしとなり 【下段】 《振り仮名:仕而優則学|つかへてゆたかなればすなはちまなぶへし》 《振り仮名:学而優則仕|まなんでゆたかなるときはすなはちつかへ》 【上段】 学文の道は別の事なし只己が心の 散乱したるを取をさめて本心を 正しくするの外はなしとの事也 【下段】 《振り仮名:学文道無_レ他|がくもんのみちたなし》 《振り仮名:求_二放心_一而已|ほうしんをもとむるのみ》