翻刻
【右丁】
粉(こ)などを買(かひ)もとめ。右のごとく製(せい)して食(しよく)しなば
粮(かて)の助(たすけ)となるべし
○灰葛(はいくず)と雪花菜(きらず)の団子(だんご)
灰葛(はいくず)といふは山より堀出(ほりだ)して製(せい)したる儘(まゝ)未(いま)だ
晒(さら)さゞるをいふ《割書:此 葛(くず)のほりやう製法(せいはふ)さらしやうつるを|かりて葛布におる仕やうなど予か著》
《割書:したる製葛録(せいかつほく)【注】に|くわしくしるせり》扨此/灰葛(はいくす)二合をよく砕(くだ)き粉(こ)
となし。きらず壱升にまぜ。よくまぜ合(あは)し。たぎり
たる白湯(さゆ)にて常(つね)の団子(だんご)をこねるごとく能々(よく〳〵)こねて
よく握(にき)り団子(だんご)となし。扨/鍋(なべ)に味噌汁(みそしる)をしかけ
【右丁左下枠外】天保 七
【左丁】
其中へ大根同く葉或はなすび里(さと)いも其外(そのほか)何にて
も有合の品をいれて焚(たき)。大体(たいてい)煮(にえ)たる時分(じぶん)右/団(だん)
子を入。そつとかきまぜてはいれ〳〵して煮(たき)あげて
食すべし随分(すいふん)粮(かて)になるものなり
○右/葛(くず)をほりて製(せい)する時(とき)葛根(くずのね)のすじの細(こま)かき
所(ところ)のカンニイといへるもの出(いづ)るを飯(めし)たく時(とき)まぜて焚(まき)
粮(かて)を助(たすく)る仕様(しやう)を製葛録(せいかつろく)の中に記(しる)しおきぬ
○今年(ことし)東北(とうぼく)の国々(くに〴〵)不作(ふさく)し或(あるひ)は洪水(かうずい)にあひて
収納(しうのう)すべき米もなし抔(なと)承(うけたまは)れば早く予(よ)が
【注 「製葛録」の振り仮名は「せいかつろく」】