翻刻
【右丁】
先(まつ)粟(あは)を洗(あら)ひ《割書:石なきあはは|あらふに及ばす》䈰(いかき)にあげ扨(さて)米をざつと
あらひよき程(ほど)に水かげんしてたき吹上(ふきあが)る頃(ころ)粟を入(いれ)少(すこ)
し火をほそめて焚(たき)ふたをとるべからず。扨よきとおもふ
頃(ころ)米を二三 粒(つぶ)つまみ見て少(すこ)しかたき位(くらい)を度(ど)とし
て木(き)を引(ひき)燠(おき)をもとり尽(つく)し。かきまぜ暫(しばら)く熟(むま)して釜(かま)
より盛(もり)て食(しよく)すべし。粟(あは)は米と当分(とうぶん)ならは喰(くひ)よき
ものなり。米壱舛七八合の飯(めし)を食(しよく)する所(ところ)へ米五合に
粟(あは)五合のかゆをたきて食(しよく)すればたるべし。但(たゞ)しざぶ
〴〵と水気(みづけ)なきやうかたく焚(たく)べし
【右丁左下枠外】天保十七
【左丁】
○小米飯(こごめめし)
先(まづ)米二舛を飯(めし)に焚(たく)家(いへ)ならは小米(こゞめ)を一舛よく
あらひ小石(こいし)なきやうによく汰(ゆり)て米揚(あげ)いかきに入て
水をたらし置く(おき)。扨(さて)米壱舛をあらひ釜(かま)に仕(し)かけ
水かげんは米壱舛八合焚(たく)べき程(ほど)水をいれ
てたき吹上(ふきあか)りたる時(とき)右の小米(こゞめ)を入 杓子(しやくし)をもつて
上(うへ)をならし元(もと)のことく蓋(ふた)をしてたきあげ木(き)を引(ひき)
燠(おき)をもとりてしばらく熟(むま)し。杓子(しやくし)にてかきませ櫃(ひつ)
へうつしとり食(しよく)すべし。麦(むぎ)の挽(ひき)わり飯(めし)に似(に)たるもの