翻刻
【右丁】
なれどもそれよりも口あたりよく喰(くひ)よきもの也。右の
ことくして焚(たけ)ば大体(たいてい)二舛の米にて五合は徳分(とくふん)也
○おなしく粥(かゆ)
右のごとく洗(あら)ひしづくをたらしおき先(まづ)釜(かま)に水を入
たきて。たぎる頃(ころ)右あらひたる小米(こゞめ)を入 吹上(ふきあが)りたら
ば杓子(しやくし)にてすくひつまみ見て。未(いま)だ煑(ゆえ)ざるうちに
火を引しはらく熟(むま)して食(しよく)すべし煑過(にえすぎ)ては悪(あし)けれ
は火かげんに気(き)をつけて焚(たく)べし
○肥前(ひぜん)の船頭飯(せんどうめし)
【右丁左下枠外】天保十八
【左丁】
味噌汁(みそしる)をこく立(たて)蕪(かぶら)を厚(あつ)サ五六分に切(きり)《割書:大ならは二ツに|切てきさみに》
《割書:なれば丸|なりをきる》右の汁(しる)に入/和(やは)らかに潰(つぶ)るゝ程(ほど)に煑(たき)扨めしは
常(つね)のことく焚(たい)て右の蕪(かぶら)を椀(わん)によそひ其上へ飯(めし)を
少(すこ)し盛(もり)かきまぜて食(しよく)すべし。別(へつ)に菜(さい)の物いらずに
食(しよく)する事なれば米の少(すくな)く入のみならず。大に徳用(とくよう)
なり。是を船頭飯(せんどうめし)といふことは肥前(ひぜん)浦津辺(うらつへん)の浦々(うら〳〵)
の漁人(りやうし)或(あるひ)は船子(ふなこ)など専(もつは)ら食(しよく)するによりて土人(どしん)の
斯(かく)呼(よひ)なるはしたるなり
○豊後(ぶんご)の黄飯(わうはん)