翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション4

木斎咄医者評判 5巻 - 翻刻

木斎咄医者評判 5巻 - ページ 14

ページ: 14

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坡谷軒(はこくけん)共/殿(との)とも呼(よび)給へかしとて。以之/外(ほか)の不機嫌(ぶきけん) なれば。竹(ちく)三郎/手持(てもち)あしくして。こそ〳〵と私宅(したく) さして逃帰(にげかへ)りけり  第四 竹(ちく)三郎/法体(ほつたい)之事     数(かづ)の三の字(じ)へぎの誤(あやまり) され共/竹(ちく)三郎。思ひ入たる文学(ぶんがく)なれば。此師(このし)をとり はなさじと。一/心(しん)に思ひこめ。二三日も過(すぎ)ければ。又/坡谷(はこく)の 宅(たく)へ参(まい)り。先日(せんじつ)は始而(はじめて)御/目(め)にかゝり。そこつ成(なる)事を申上。御(こ) きげんにはさはり候へども。それがはやよき学問(がくもん)に罷成(まかりなり)候 とのべければ。坡谷(はこく)きかれて。其志(そのこゝろざし)こそまことなれ。き どくにも早々(はや〳〵)来られける物かなとて。心よきあいさつ なれば。竹(ちく)三郎も案堵(あんと)して昼夜(ちうや)に不(す)_レ限(かぎら)師(し)に つかふる事。長良(ちやうりやう)【張良】が黄石公(くわうせきこう)にくつをさゝげしよりも 猶(なを)へりくだりて仕へける竹三郎。もとより医学(いかく)の心 がけなれは。程(ほど)なく大成論(たいせいろん)に移(うつ)りて。いまだそよみも はてざるに。早法躰(はやほつたい)して。十徳を着(ちやく)し。木斎(ほくさい)と名(な)を改(あらため) 師匠(ししやう)に対面有(たいめんあり)し時。坡谷(はこく)申されけるやうはぼくさいとは 不心得(すこゝろへ)/乏(とほし)_レ財(たから)ともきこへ。又/才智(さいち)とほしきともきこゆる なり。貴坊(きほう)には何と心得(こゝろへ)給ふぞやなどきさいとはとなへ 給はぬそ。木斎/承(うけたまは)り。さん候/我父(わかちゝ)は竹斎(ちくさい)と申て医(い)の 道(みち)下手(へた)にてすりきりなれは。われはそれにひきちがへ 木(き)に竹(たけ)つぎたることく大にかはりて上/手(す)になり。福医(ふくい)