翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション4

木斎咄医者評判 5巻 - 翻刻

木斎咄医者評判 5巻 - ページ 31

ページ: 31

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又一はいのみて。客(きやく)にさす。いづみやもとより/大(だい)上/戸(こ)にて 三献つゞけてのみ。御家/久敷(ひさしく)御人ときく。いざたしまとん とて。目玉之助にさす。目玉もそこぬけのまんはちにて かたじけなしとて。三/盃吞(ばいのむ)。それよりあなたへかへせば いづみや三/盃(ばい)つゞけてのまんとするが。すへの三ばいめに つまり。ほしかねて見ゆるとき木斎中をいたさんとて。 是を取てのまれけるが。盃(さかづき)をひかへて。から〳〵わらひ して申さるは。酒は百薬の長(ちやう)たり。すくるをもつて 毒(どく)とすと云(いふ)事は。何と心得(こゝろへ)ゐふぞ。酒は百薬に すぐれたる薬なれども。すいさけはとくじやと云事也 すぐるゝがどくしやねに。からくあまきをくれよとの 儀(ぎ)也。しれはくの字(じ)をにとらすによむか口伝(くでん)也長 の字はなかきとよむ故(ゆへ)に/酒(さけ)はなかく。ひさしくのむか 本意(ほんい)ぞや又/酒(さけ)ははかりなし。らんにおよはすと云(いふ)事も 候へば。かきりはなきもの也。ゆる〳〵とのみたまへ さて又申につけては。おこがましけれども。親祖父(おやおうじ)の 代(だい)より。医者(いしや)の家(いへ)にして。昼(ちう)夜/医術(いじゆつ)の/工夫(くふう)をは けまし時(とき)の運気(うんき)をかんがへ。かゝる程(ほど)の/病人(びやうにん)ひとり として平愈(へいゆ)すと云事なし。しかれともまんが わるふていつも囲炉裏(ゐろり)に/屈(かゞ)む。灰毛猫(はいけねこ)のことく悴(うつけ) 果(はて)たる野夫医師(やふくすし)にて。一/生(しやう)をくらさん事(こと)こそ/口(くち)れし けれ。皆白人衆(みなしらうとしゆ)ははやるいしやをば。なへて上手(じやうす)とおほしれ