翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション4

木斎咄医者評判 5巻 - 翻刻

木斎咄医者評判 5巻 - ページ 37

ページ: 37

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彼客(かのきやく)申けるやうは。おほせのごとくなぐさみには。うたひ まひ。じやう留里に/歌(うた)なり共口ずさみ。御気をほう じ。御学文(こがくもん)有てよかるべしさのみ御きをつめて罷 かくもんはいらさる物かと存侍る也。それをいかにと申に 世上にて学の有/医者(いしや)は。くすりが働(はたらか)ぬと云(いひ)ならはし 候。誠(まこと)にさも有とそんし候は。医書(いしよ)のかうしやく 大才(たいさい)になさるゝ方(かた)の御薬は。十人かハ九人迄は。薬が きゝ不_レ申候程におまへの御/学文(がくもん)も。御無用にな され候へかしと申ける木斎きかれて。扨は此もの。書物 のおほきを見て。われを文才(もんさい)有と思ふよる。爰 はまぎらわし所(ところ)と思ひ。十面(しうめん)つくりくいねぶりて打志は ぶき。いかにも此まよひ世上一/統(とう)なれば。心を静(しづ)めて そのわけをとくと聞ゐへ。是にはその品五つ有也 一つには博学(はくがく)多才(たさい)にて詩(し)を作り。文を書。四/書(しよ) 五/経(きやう)などの講釈(こうしやく)をし何を問ともつまつかねば。さて も学者(がくしや)かな。家の事なれば。医学(いがく)はさぞと。人は 思へとも。医(い)の道におゐては白地(志らじ)の/凡夫(ほんぶ)おほし かやうの人の薬がきくへきか。博学(はくがく)にて薬がきく べくは。林道春(はやしだうしゆん)。沢庵和尚(たくあんおしやう)などは。上(うへ)つ方(かた)の御/煩(わつらい)は。救(すくい) ゐふべけれども。終に不_レ及_レ承。いか成/高僧(かうそう)貴(き)僧も 皆いしやをたのみたもふ。かく申せはとて博学(はくがく)が医道(いだう)に 嫌(きら)ふと云にはあらず。古しへより名有いしや。今の