翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション4

木斎咄医者評判 5巻 - 翻刻

木斎咄医者評判 5巻 - ページ 46

ページ: 46

翻刻

れしは。御いしやさまの。御日待之候/伽(とき)申こそ/幸(さいわい)なれ 白人(しろふと)のとくしん仕度事共を。今夜(こんや)のなぐさみに 尋申侍らん。先いしやの上手とはいかやうなるを申 べきや。木斎こたへていわく。上古のやうなる神医(しんい) 徳医明医(とくいめいい)など。今は有べしともおもわれず 今の世の上手と云は。一には生徳(しやうとく)の才(さい)の/働(はたらき)。二には いがく三には病人に/精(せい)を出す人。問には薬に念 を入る人。五には多欲(たよく)ならぬ人。六には慈悲(じひ)有人。 右六の徳有人を上手と云べし。先/生徳(しやうとく)の才(さい) なくては。何と学(がく)あり精(せい)を出し念を入。慈悲有 ても。療治(りやうぢ)が働(はたら)くまじ医(い)学なくは本がくぢけて 何と利発(りはつ)にても。精(せい)を出しても。療治(りやうぢ)が無理(むり)にて 心ならず病人の害(がい)が多からん。第二と云べし。第一 とも申べし。病人に精を不_レ出は。才がはたらき。学(がく) が有とも。病が癒(いへ)まじ。薬に念を入とは。製法(せいはう)を 内(うち)の者(もの)まかせにしては。鉄(てつ)を忌(いむ)ものも忌まじ。 上の薬もつかふまじ。多欲(たよく)にては病人の為に 成まじ。薬代取ばかりに眼が付ば。人によりて 精が出べし。尤薬にも。人参(にんじん)もつかふまじ慈悲(じひ) の心なくては。何とよくても。病人の為によからし わが手柄(てから)せんとて。見へぬ事をも人めも不(す)_レ渡(わたさ)無(む) 理(り)の療治が多かるべし。右六の徳(とく)有人を。よく