翻刻
木斎咄医者評判(不くさいはなしいしやひやうはん) 四
第九 御日待執行之(おひまちしゆぎやうの)事
秋(あき)の夜(よ)の永物語(ながものかたり)
去程(さるほど)に祖父(おうぢ)の。ふりうり太郎。金みづ夫婦の人々も
今ははやあきなひをやめて。ひたすらしよたいの
せわをやかれしが。木斎に申さるゝは。我朝(わがてう)は神(しん)
国(こく)なれば。仏神(ぶつしん)を。おふぎ奉りてこそ。仕合もよく
薬もはたらくべきぞ。月待日待を。せられよとの
すゝめにまかせ。正五九月に執行(しゆぎやう)おこたる事なし。或
年九月の御日待に。近所(きんしよ)の者ども伽(とぎ)に来りて
さま〳〵のなくさみにて。夜をあかし侍るに。去人申さ