翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション4

木斎咄医者評判 5巻 - 翻刻

木斎咄医者評判 5巻 - ページ 54

ページ: 54

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べし。三には初(はしめ)は人か珍敷(めづらしき)。療治(りやうぢ)もおほく頼めは。はや るやうに見へても。したいに見ざめがして。療治(りやうぢ) すくなさも。あらんと申さるれば。又政右衛門がいわく 妙薬(めうやく)と云も有事にや候。木斎/答(こたへ)て中々古人の 方。皆妙方也。今時の妙薬も。きかぬにはあらず成 程きく事也。先政右殿の。御/合点(かつてん)の道(みち)にて申べし たとへば弓(ゆみ)の師匠(ししやう)が。八分の強弓(つよゆみ)にてよくあたる とて。弟子(でし)に其弓をゆづらんに。弟子が力強(ちからつよ)き男な らば。その弓にて自由(じゆう)に射(い)らるべしや。上手のまね を下手がすれば。却而(かへつて)/害(がい)に成故に。丹渓先生(たんけいせんせい)は 和剤局(わざいきよく)方の妙薬を削(けづ)りたまふ。それも上手にて つかへばつかはるゝと見へて。丹渓(たんけい)の高/弟(し)。載元禮(さいげんれい)は。削(けづり) ゐふ局方(きよくはう)の妙方(みやうはう)をつかひ。丹渓の正義(しやうぎ)に叶(かな)ひゐふ とぞ妙薬ばかりにてよくは。古人の大慈(たいじ)大/悲(ひ)の心 にて。妙方はかり教(おしへ)たまはゞ。手廻(てまはし)よからんに。機根(きこん)へ らしの医学(いがく)せよとはのたまふまじ。古人も読(よみ)_二仲景(ちうけい) 之書_一執_二其法_一不_レ執_二其方_一といへり。又以_二古法_一治_二金病_一は 旧屋(きうをく)を挫(くぢき)て。新屋(しんをく)を作(つく)るがごとし共しめす。此座に 大工作右/居(い)らるゝが。古/家(いへ)を破(やぶ)り。作(つく)りなをすには そのまゝ何とて作らるべきや。短(みじか)き木は継(つき)/足(たし) 長きは引切などして立ずは。家には成申まい 爰(こゝ)に近きたとへば。火は水にて消(け)すか正(しやう)