翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション4

木斎咄医者評判 5巻 - 翻刻

木斎咄医者評判 5巻 - ページ 66

ページ: 66

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れは。恩をしらざる方(かた)をば。そんとくよりは。ふくりうな くてかなはねば。一度や二度は。仁道を出せども。度か重 なればすゝむまじ。其時をのれが無理(むり)をばた なへ上て。いしやのとがと。わろくいふいしやの尻(しり)に。石(いし) 臼(うす)を結(ゆひ)付てくるやら。遅(おそし)といふ医/者(しや)もよろこぶ心 あれば呼(よば)ずとも見廻ふべし。薬(やく)代の倹約(けんやく)は。自(じ) 己(こ)の命(いのち)をちゞむる也古人も重/財軽身(ざいきやうしん)するは。一つ の不治(ふじ)とのたまふいしやがこりては。手/並(なみ)を覚へ て。かさねて病用にすゝまぬか。薬に品(しな)があらば 其▢ばかりにてもなく。其/家(いへ)之/妻子(さいし)共までの 為に成べし誰か捨身(しやしん)の業(げう)を。なすいしやはある まじ。此わけいしやの口から云は。はづかしき事なれ共 何方(いつかた)の医者(いしや)之心も。能しりたるにより。是も病 家の為かたり申ぞとあれば。梶(かぢ)右きゝて。扨も〳〵 うちまけたる御はなし。御尤〳〵とぞんじける  第十一 病は気(き)より生(しやう)る事      療治(りやうじ)きてんの糸(いと)も賢(かしこし) 川舟(かわふね)屋の療治のしかけをきゝて。扨も作意(さくい)働(はたら)きた るいしや殿かな。御目にかけ度病人候と。次田町水/果(くわ) 子(し)問屋の。福(ふく)右衛門方より。梶右衛門かたへ申こしけれ ば。木斎にかくと云つたへて。則梶右同道にて参 り。病体(びやうたい)を見せければ。何共見わけがたく。只(たゞ)ぶら