翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション4

木斎咄医者評判 5巻 - 翻刻

木斎咄医者評判 5巻 - ページ 68

ページ: 68

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りとしたる煩(わつらひ)也。先わづらひ付をたづねければ。つゝ▢ 喉(のんど)のかはきける故。水をのみ侍るに。のみ残したる 水を見れば。糸の細きなる。長き六七分程の色赤 き虫。四筋五筋有を。見れば皆いきてうごく▢そ れをのみし故にや。ふくちうに虫のありくやうに むす〳〵として気味(きみ)悪(あし)きゆへ。おのづから。気おもく 罷成。薬を服(ふう)用(やう)仕候へば。なを気分あしく候と申 木斎きかれて。それこそわれらの。得(ゑ)手の療治(りやうじ) 御心やすかれ早速(そうそく)治してまいらせん。その虫さへ くだし候へは。すきと本ぶく有べしとて。薬を調(てう) 合(かう)してのまする。其剤(そのざい)すこし。下りめにしかけて 明日(あくるひ)見廻てうら心をたづねければ。夜中二三度。側(かわ) 屋へ行侍ると云さらばそれを見申さんとて。木斎 ゆきて見るていにもてなし。袖の内よりしんくの 糸の。六七分はかりのきりくずを取出して側屋の 内へまきちらし。そしらぬふりに立かへり。もはや本 ぶく有べし。虫(むし)はみなくたり侍る。側屋へ行て見たま へとて。見せければ。まことに赤き虫有と見て 心をてんじける故にや。そのまゝ快(くはい)気を得。程(ほど)なく 本復したりければ。今の世のおやくしさま也とて 大によろこび。宜薬代を送り。其上に木斎を招 待(だい)す。則(すなはち)梶(かちへ)右衛門/相伴(そうばん)に参(まいり)ける。木具にて本二三