翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション4

木斎咄医者評判 5巻 - 翻刻

木斎咄医者評判 5巻 - ページ 69

ページ: 69

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向詰迄(こふつめまで)の婦るまひ。さま〳〵の珍肴にて美酒を すゝめ。初むかしの宇/治茶過(ぢちやすぎ)て。又夜に入て。後段の めんるひ吸(すい)物出て。又/数盃(すはい)をすゝめける故に木斎 いつより機嫌能(きけんよく)。長座せられ四方(よも)山の咄(はなし)有し程 に。亭主(ていしゆ)の福右(ふくへ)申さるゝは。近/年程(ねんほと)医(い)師衆おほき 事は。上代にも候まじ。然れ共上手はまれに。下手 はおほしと見へたり。又おやは上手にて子はさなき も有。父がよき事ばかりをかんがへて子に伝ふべ きに。子の下手(へた)成こそ。ふしんに候といへば木斎申 さるゝは。当(とう)代/医師(いし)のおほき事は。御代(みよ)静謐(せいひつ)に治(おさま)り 人おほくなりたるまゝ。奉公(ほうこう)人も町人も百姓(ひやくしやう)までも 二男三男の払方(はらいかた)にこまり。医(い)をならはするもおほし 又是は片輪(かたわ)。是はどんそこ成とて。医(い)者になすも 有。いしやの跡は。医の器量(きりやう)に生(むま)れつかねとも。大方 医道を継(つく)。又浪人も。渡(と)世なりかね。いしやにも成也 然間世上にいしや多(おほき)こそことはりなれ。先いしやは はやり物成とて。誰人の狂歌(きやうか)にや日出いしや。四つ猿(さる) 楽(がく)に。ひる坊主。八つ町人に入相の武士とよみけるゆへ 人々心がけけるとぞ。爰に忰侍(かせさふらい)有しが。右之狂歌 尤とかんじて。つね〳〵医道を心かけ侍るに。不/図(と)牢(らう)人 せし程に。幸(さいわい)といしやになり候へ共。しか〳〵とたのむ 者なければ。右之本歌にてかく