翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション4

木斎咄医者評判 5巻 - 翻刻

木斎咄医者評判 5巻 - ページ 75

ページ: 75

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みやくをかんかへ。しばらく工(く)夫の体(てい)に見へけるが。いか にも一/療治(りやうじ)は有べき也。然共元来。ものゝけより 出/生(しやう)したる煩なれば。祈念(きねん)加持をも。せられ 候へと云ば。中々/安陪(あべ)のせいほく殿と申仁を。頼み 昼夜きねんも仕候といへり。さらはその安陪氏(あべし) へ御目にかゝらんとて晴卜(せいぼく)に対面(たいめん)して初会(しよくはい)の辞 義。五法指(ごほうさし)合/済(すみ)ての後。木斎申されけるは。せいほく 殿の御先祖の晴/明公(めいこう)と。われらの先(せん)祖大/医(い)重 雅と。僧(そう)の勧修(くはんしゆ)と三人。或時/藤(とう)の道(みち)長の宅にて 参り会ゐふに。晴明申されしは。只今/怪(あやしき)事侍らんに 門を閉(とぢ)て。客を入させゐふなと。云へる程に。門をか ためておはす所に。はや叩(たゝく)者有。是をとへは和州(わしう)の瓜(うり) のつかひなり。門をひらきて内にいれ。其瓜を鉢(はち) につみて座敷(ざしき)へ出し侍る時/相国晴明(しやうこくせいめい)に向て。家之 内の怪異(くはい)有事外に不_レ知。此瓜を食すべきや。否や と問せゐへば晴明占て云く。瓜(うり)に毒有べし。食し ゐふべからすと云/相国(しやうこく)のゐふは。瓜毒に毒は有へからず 定て此内に。有もなきも侍らん。勧修(くはんじゆ)いかんとあれ ば。勧修則/呪(じゆ)を誦(しゆ)し加持しゐふに。一つの瓜鉢より おどりいでゝ座中(ざちう)を廻る。その時/我先祖重雅(わがせんそしげまさ)。袖(そで)の内 より針(はり)を取出して此瓜に針せし時。則/躍(おどり)やみて 鎮(しづま)りぬ。是をわりて見れば毒蛇(どくじや)有て。まなこに針