翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション4

木斎咄医者評判 5巻 - 翻刻

木斎咄医者評判 5巻 - ページ 76

ページ: 76

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立て死たり。術家(しゆつけ)の名誉(めいよ)是也とて。三人共に。都鄙(とひ)に かんし侍りけると也。然れば占方(うらかた)と。加持(かじ)と医(い)とは。は なれざる物なれば。貴客(きかく)は加持しゐへ。われは療治(りやうじ) すべし。いさ其心/一致(いつち)して加持(かじ)も療治もすべし こなたへとてひとま成所へよびてせいぼくと云あはせ 木斎は木薬(きくすり)の名を書立て薬種経(やくしゆきやう)と名づけ。是 をよみていのらせゐへ。われ又是につきて了簡(りやうけん)すべし といへば。ともかくも御はからひに。まかせ候べしとて 本尊(ほんぞん)には七仏/薬師(やくし)の絵像(ゑざう)をかけ奉り。病人を 壇(だん)上に置て。先薬師経をよみ真言(しんごん)を。おんころ〳〵 せんだりやまとうぎ。そわかと唱(とな)へければ。病人いつも のごとく口まねせり。そのつぎに彼作意(かのさくい)の。薬種/経(きやう)を 打(うち)上て。ちんひかうぶしにつけいけいしん。にんぢんせんきう くわつかうもつかうかんぞうさんしゝ。白だん白じゆつ とうにんあんにん。びんらうじなどゝ。段々(たん〳〵)によみけるを。病 人口まねこと〳〵くしけれども。其内におのれがいや なる薬をば。さらにまねざりけり。木斎そばにて 是を書とめ。その薬種(やくしゆ)どもを調合(てうがう)してのませけ れば。病人もつての外にいやがり。逃(にげ)かくれけるを。のが さずとらへて。無理(むり)にのませければ。次第(しだい)に快気(くはいき)し て。半年計(はんねんばかり)に。すきとなんぶくしてんげりかるかゆへに 晴卜(せいぼく)も。宜礼式(よろしくれいしき)をうけて。ひとへにぼくさいの御かげとて