翻刻
【右丁】
漢防己(かんはうい)は近頃(ちかころ)唐種(からたね)渡(わた)り今 官園(おやくゑん)に多(おほ)し春月(はる)宿根(ふるね)より蔓(つる)を生(せう)す葉(は)は烏臼木(うきうほく)
に似(に)て互生(こせい)し夏月(なつ)葉(は)の間(あいた)に小黄花(せうわうくは)を族生(そくせい)す条根(しやうこん)土中を蔓延(まんゑん)し処々 長(なか)き
直根を生す形(かたち)烏薬(うやく)に似(に)て軟(やはら)かなり是(これ)を切に車輻解(しやふくかい)明(あきら)かならす蔓(つる)は冬月(ふゆ)
枯(か)る根(ね)は枯(かれ)す稍(や[ゝ脱ヵ])寒(かん)を恐(おそ)るこれ本草彙言(ほんさういけん)及(およひ)本草原始(ほんさうけんし)に図する処(ところ)の瓜(くは)
防己(はうい)なり
一種 かうもりかつら
山城国 貴船(きふね)山中(さんちう)武州 川越(かはこへ)山中信州勢州にあり葉(は)は蝙蝠(かうもり)の形に似て又王瓜《割書:か|ら》
《割書:す|うり》の如(こと)くにて黄緑色(うすみとりいろ)毛なし夏月 小黄花(せうわうくは)穂(ほ)をなして下垂(けすい)す根は筆(ふて)の管(ちく)の大
さにして黄色(きいろ)土中に引別に塊(かたま)りを生(せう)す
【左丁】
【版心の中央部に記載あり】
かうもりかつら
【三、七行目の「防己(はうい)」の「己」は「已」ヵ、もしくは読みの誤ヵ】
【五行十二字目「軟」の振り仮名「やはら」の次に記載有り。「か」の書きかけのように見える。】
【十三行二十三字目「蝙」の振り仮名「かう」は書き直したように見える】
【十三行最下段の割書「か」は「ガ」のように見える】