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■■あるし《割書:おくり| 》くらしておはしますとし月かさなり今ははや七才に成給ふわか君一人おはしまし御
なをあべのとうしと付給ひ御てうあいかきりなし此わかせいじんのごにいたつて三ごく
にかくれなきうらかたのめいじんあべのせいめい是也やすなも今はかうさく【耕作】をしいとなみ
しか今日も又のに出んとおもてをさして出けれはどうしさもいたいけにはだへ其まゝ
ちゝのあとをしたひ出んとす母引とめ《割書:いろ| 》あゝひやゝかなりしあきのかせ《割書:いろ| 》引わすらはゝ
いかゝせんとこそてをうちきせまはしてむすぶさおり帯いとあいらしきよそおい《割書:いろ| 》子を
思ふこそたへもなししづか手わさのならいとて《割書:いろ| 》いとなみ〳〵に《割書:ふし| 》はたを立からきよを
のがれんとやがてはたへぞあからるゝ人のなさけによりたけの《割書:つきゆりふし| 》しつかおだまきくり
かへしよれつもつれつ君か思ひのかねことは《割書:ゆりふし| 》やとるひまなくくる〳〵ときり〳〵はたりて
う〳〵とおるはたぬのこそやさしけれされはにや女房よのつねの人ならずしのだのや
かん也しかやすなに命たすけられ其ほうをんのため人がい【人界】にましはりはや七とせにな
りにけるころしも今はあきのかせふくらう【梟】しやうけい【松桂】のゑたになきつれ《割書:いろ| 》きつね
らんぎくの花にかくれ住とは古人のつたへしことく【白楽天の『凶宅』】此女房ていぜん成まがきのきくに心を
よせしかさきみだれたる色かにめてゝ《割書:いろ| 》なかめ入うわの姿を打わすれあらぬかたちとへんし
つゝ《割書:ふしゆり| 》しはし時をそうつしける折ふしどうしはうたゝねしていたりしかめをさまし母のうしろに来りし
かかほばせをみるゟもやれおそろしやとおめきさけんでなげきける母はつと思ひしかさ
あらぬていにてやれ何をさやうにおそれなげくぞとうしはさらにちかづかず《割書:いろ| 》のふ母うへ
の御かほばせのかはらせ給ひておそろしやとなけく所へめのと来り何とて御□けん【御きげん?】あし
く候母さらぬていにて【、】いやつや〳〵ねいりて有つるか【、】めをさまし【、】さはかしくかけ出□□□□□
れといへはかへつて母かおそろしきとてあらぬことのみ申也それ〳〵すかしてたへと□□へはめのと
承りやがてわかをいだきおくのていへぞ入にける扨母うへはくときことこそあはれ也我は
本ゟあだしのゝ草ばにかげをかくすみの人のなさけのふかきゆへ《割書:くり上ふし| 》いくとし月をおくりし
かいかなれはあさましや色かたへ成花ゆへに心をよせてみづかゝみうつる姿をみとり子
にみとかめられしは何事ぞや是ぞゑんのつきは也あのていならは父うへにもかたるへしせめ
てあの子か十才に成迄みそだてたく思へ共力およばぬ次第也本のすみかへ帰るへし
《割書:いろ| 》あゝ扨かなはぬうきよやとしはしなみたをなかしけるさるにても【、】つまのやすな帰らせ給
ふを待うけよそなから也共【なりとも】いとまこひとは存れといや〳〵たゝ御るすに立さり跡を
みせぬにしくはなし【及くはなし】と思ひ立こそあはれなれ所へめのとわか君をいたき御やす
みなされ候と申上る母うへそれこなたへといたき取あゝふひんや同ししとねによりふして
にうみ【乳含み?】を参らせさま〳〵といとおしみふかき有様は《割書:ふし| 》なをもあはれぞまさりけるほ
となくわか君ねらせ給へはよにもうれしくはや立出んとおもはれしかいや〳〵其
まゝ出る物ならばつまのやすなふしきをなさせ給ふへしあらましを□き□□すゝ
り引よせ文こま〳〵とかゝれたりはつかしなからみつからはしのたのもり□□やかん也君に命
をたすけられ其ほうをんをおくらんためかりそめなからゑんのむすひはやむとせ□□□
身のつねならぬ姿をはおさなき物に【、】み付られもはや君にもいかてみゑ参らせん□□
心を一すちに立出申と心かなしとおほさんよの有様を人のしらねはとよみをきしと□の□に