翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション2

養生録 - 翻刻

養生録 - ページ 39

ページ: 39

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一凡そ灸(きう)の前後(ぜんご)深(ふか)く慎(つゝし)むへし飽食(ぼうしよく)大酒(たいしゆ)争(あらそひ)闘(たゝかい)忿怒(いかり)  労役(ろうえき)の類(るい)悉(こと〳〵)く忌(いむ)べし殊更(ことさら)房慾(ばうよく)はむかしより前(ぜん)  三(さん)後(ご)七(しち)と云て前後(ぜんご)七日(なぬか)慎(つゝし)むへしといふ事(こと)俗説(そくせつ)  なれども取(とり)用ゆべし凡(すべ)て気血(きけつ)を労動する事は  忌(いむ)へしと思(おも)ふへきなり 一 灸(きう)するに大風(たいふう)大雨(たいう)地震(ぢしん)雷電(らいでん)日蝕(につしよく)の日(ひ)慎(つゝし)んてす  べからす惣(そう)して曇(くもり)つよき日なども忌(いむ)へしむか  しより運行(うんこう)日 本命(としび)の日 血(ち)忌(いみ)の日 人神(にんじん)のある所  なと忌事(いむこと)あり是等(これら)一向(いつこう)に妄説(もうせつ)にして取(とる)にたら  す決而(けつして)忌(いむ)に及(およ)ばす甚(はなはだ)しき者(もの)は卯(う)腹(はら)辰(たつ)腿(もゝ)寅(とら)背(せなか)未(ひつじ)  の頭(かしら)猿(さる)の尾(を)抔(など)の俗説(ぞくせつ)あり是は画人(ぐわじん)の図(づ)しかた  き所を云る言(ことは)にして論(ろん)なき空言(そらこと)なり皆(みな)是らは  灸(きう)きらひの人(ひと)の何(なん)の角(か)のといひはしめたるな  らん尤(もつとも)明堂灸経(めいどうきうきやう)なとに品々(しな〳〵)の忌日(いみび)をのせたれ  ども皆(みな)偽書(ぎしよ)にして古(いにしへ)の義(ぎ)にあらす只(たゞ)天気よく  曇(くもり)少(すく)なき日は人気(にんき)も朗(ほが)らかなれは一(ひと)しほ宜(よろ)し  とす外(ほか)に禁忌(きんき)を撰(ゑらぶ)べからす愚按(ぐあん)するに灸(きう)は昼(ひる)  九ッ時より後(のち)に灸(きう)する事 別而(べつして)よしとす早朝(そうてう)な  とは人身(じんしん)の陰陽(いんやう)いまた定(さだ)まらす故(ゆへ)に先は忌(いむ)べ  し昼前後(ひるぜんご)よりは人気(じんき)平均(へいきん)になる時(とき)故(ゆへ)に灸(きう)する