翻刻
うしとらと北風みんな身にしまは水をそゝきて東西もなし
ゐ花水のみてそゝきて湯をいまははれる病ひも中風はなし
のみすこしかしらもおもく寒けせば水をそゝきて酔さましせよ
おそろしきものはこたつに入湯也人を丸呑するとおもへは
くだりはら又はひけつ【秘結=便秘】にこまる人朝夕のみてそゝくにそよき
やかましく耳なりのほせかたいたみ風まめならは水か何より
まのあたりゆありけせつ【下説、或は解説(げせつ)ヵ】みきゝてもこりすに入はあまり也けり
けかすれは先取敢す水そゝき薬たりとも湯のけ大どく
ふゆの内寒さにこまる人あらは水をそゝきて春は来に鳧【けり。鳥の名の当て字】
こヾへなは俄にあつき物喰ふな直に入湯は猶更の事
えてふへて呑喰ふものは其侭にまつせんいちに湯をは慎め
てんきやみ火事と内しやう【一家の暮らし向き】火の車水より外に防くものなし
あしや手のしびれ草臥痛みなば水をそゝきて湯を着■りし
さんぜんご【産前後ヵ】らちあき【かたがつき】りやうし何にても急病気付け顔に水ふけ
きちかひとてんかん驚風【注】疳積【癇癪】は水より外に妙薬はなし
ゆすきでも長いきするとのたまふな水にすまさは限りしられず
【注 漢方医学で、幼児のひきつけを起こす病気をいう。脳膜炎の類。】