翻刻
幾度も刈株より生し実るものなり
近くは熱海の辺にて翌年三月頃丈ケ壱尺程に
新芽を生し其年植たる青田のことし
しかれとも実乗すくなきゆへ年々苗をふせる也
人も其如く穀気を以て身体を養ひ用水の
懸引程よきか如く百薬の長たる泡盛を以て
身中の病を去時有無病壮健にして長寿古
人のことくなるへし一年限りと思へる稲さへも
養ひ方によりて年を越ても刈株より新芽を
生し実乗るものなればまして百二十歳と定る
寿命を全ふせん事唯宝ものとする米と
妙薬とする泡盛とを以て身の養生に油断
なく心を付は亀鶴千万の齢ひを保ん事
なを安かるへし
口腹論